+++プロローグ+++
長すぎる春とはよく言うけれど
私たちは春も夏も秋も冬も
名前のつかない季節も
過ごしてきたんだろう
ただ、次の季節には辿り着けなかった
私には無理だった
「お前が元気になったら
俺のもとから飛び立っていってくれ」
そんな事を何度か聞いた、憶えてるよ
でも、いつ聞いたときでも
そんな理由で飛び立つつもりは無いと思っていた
私が先に気持ちがさめる事はあり得ないと
思っていた
今のあなたの気持ちはどうだか知らない
私は
醒めてしまった
あなたを愛していなくなっていた
認めたくないけど 認めたくないけど
自分の心の中にしまっていた
日常では誰にも言わなかった
あなたと別れるつもりでいる、と。
ふとした隙に
自分の口から言葉にして出してしまった
出てきた言葉を耳で聞いてしまった
認めたくない思いを
でも現実の思いを
自分で自分に聞かせてしまった
どうしてあの時
言ってしまったのだろう
こんな私に
あなたは気付いていないのでしょう
別れを告げるときは
嘘をつくかもしれない
あなたがきれいな思い出のまま
私の事をとどめておきたいと
知っているから
嘘をつけない私が
最後にとびきりの嘘をつくんだ
それが今の私に
せめてものできる事
涙を流すかわりに
ほんの少しの血を流したい
お酒に溺れるよりも
苦しいほどの温もりに包まれたい
通りすがりの夢でもいい
偽物の優しさでもいい
2004.8.23
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